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台灣的蜻蛉 Dragonflies of Taiwan

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著 者 : 汪 良仲 Liang-Jong Wang
発行所 : 人人月曆股份有限公司
体 裁 : 349pages
定 価 : 新台幣 800 元
コード : ISBN 957-30885-1-7
  1. 蜻蛉目介紹 (Introduction to Odonata)
  2. 生息環境與可能出現的蜻蜒種類—快速捜尋 (Habitat)
  3. 蜻蛉的外部形態 (Morphology)
  4. 蜻蛉的生活史 (Life History)
  5. 蜻蛉的生態行為 (Ecological Behavior)
  6. 台灣産蜻蛉各科種類之介紹 (Species of Taiwanese dragonflies)
    • 珈蟌科 (Calopterygidae)
    • 幽蟌科 (Euphaeidae)
    • 鼓蟌科 (Chlorocyphidae)
    • 絲蟌科 (Lestidae)
    • 洵蟌科 (Synlestidae)
    • 蹣蟌科 (Megapodagrionidae)
    • 琵蟌科 (Platycnemididae)
    • 樸蟌科 (Protoneuridae)
    • 細蟌科 (Coenagrionidae)
    • 勾蜓科 (Cordulegastridae)
    • 春蜓科 (Gomphidae)
    • 晏蜓科 (Aeshnidae)
    • 弓蜓科 (Corduliidae)
    • 蜻蜓科 (Libellulidae)

台湾産トンボ類 143 種中,14 科 78 属 127 種について生態写真と文章で紹介している本で,Wilson (1995) の「Hong Kong Dragonflies」の台湾版というイメージで力作である。台湾のトンボ類に興味を持っている方には必携の一冊であろう。

生態写真は鮮明で,種の特徴が分かり易い。写真の一部は,日本や香港で撮影されたものを使用しているが,その旨記されていて信頼がおける。

文章は,雌雄の特徴,生態,台湾内外の分布について書かれている。記録はあるが,台湾での分布が怪しいものについてはきちんと「?」マークがついている。

新種 Oligoaeschna lieni の生態や台湾から最近記録された Rhyothemis regina reginaNannophyopsis clara に関する知見,絶滅したと思われていたハッチョウトンボ,ヒメハナダカトンボなどの再発見の経緯,また,シオカラトンボやトビイロヤンマが最近絶滅したことなど興味深い知見も多数盛り込まれている。

当会の会員も井上 清氏をはじめ数名が写真や文献提供などで本書に協力しており,謝辞の項に掲載されている(井上 清氏の名前がすべて誤植で「井上 寛」になってしまっているのが残念であるが)。

学名に関しては,オオシオカラトンボとタイワンオオシオカラトンボをそれぞれ独立種として扱っている。また,タイワンウチワヤンマの種名を日本のものも含めて rapax としているなどいくつか異なる点がみられる。

これらは,それぞれ内外で論議の的となっているもので,今後,多くの材料をもとにした検討が必要であろう。

松木 和雄