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近畿のトンボ図鑑

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著 者 : 山本 哲央・新村 捷介・西浦 信明・宮崎 俊行
出版社 : ミナミヤンマ・クラブ
体 裁 : A5 判, 240ページ
定 価 : 3,500 円 + 税
コード : ISBN 978-4-87051-270-2

近畿地方のすべてのトンボを完全網羅,美しい生態写真!読みやすいレイアウト,小学生・初心者から研究者・マニアまで,フィールドで大活躍のコンパクト図鑑

  1. カワトンボ科
  2. アオイトトンボ科
  3. モノサシトンボ科
  4. イトトンボ科
  5. ムカシトンボ科
  6. ムカシヤンマ科
  7. ヤンマ科
  8. サナエトンボ科
  9. オニヤンマ科
  10. エゾトンボ科
  11. トンボ科
  12. 迷入種

広瀬良宏ほか : 北海道のトンボ図鑑 (2007),尾園 暁・渡辺賢一ほか : 沖縄のトンボ図鑑 (2007),杉村光俊ほか : 中国・四国のトンボ図鑑 (2008) に続く 4 冊目の図鑑で,体裁も似ている。兵庫,大阪,京都,滋賀,奈良,和歌山,三重(本書に記されているレッドリストのランク表の順)の 2 府 5 県で 2008 年までに記録された 103 種が掲載されている。

前書と同様に見開きの左が標本写真や解説で右が生態写真となっている。イトトンボ類は横向きの拡大写真,サナエトンボ類は側面と背面の写真があって分かりやすい。生態写真では,空中産卵,打水産卵,挿泥産卵など動きの激しい行動を的確にしかもシャープにとらえているものが多い。109 頁にコサナエの三連結の写真がある。これは私が 1954 年に “新昆蟲” 誌に初めて発表した短報と同種同型(O 型)の三連結なので感慨深い。これらの写真には,すべて撮影場所と日付が記されているのも参考になる。

ルリボシヤンマとオオルリボシヤンマの ♀ には青色型が知られているが,本書にはルリボシヤンマでは “ ♂ と同色の型”,オオルリボシヤンマでは “水色型” と記されている。これらは “青色型” に統一すべきであろう。

ついでながら,アカネ属の ♀ には腹部が赤くなるものがある。本書では “赤化する” とあるが,“赤化型”(杉村ほか,2001)としたり “♂ 型 ♀” と呼ぶこともある。成熟した ♀ が必ずしも赤化するとは限らないので,“青色型” に対応して “赤化型” としたらどうだろうか。

枝 重夫